Under Current

頭の中を整理するためにいろいろ書き連ねようと思います。
Under Current TOP  > 
PR

五色の虹 三浦英之

 集英社 五色の虹 三浦英之

 満州国に五族協和の実現を目指して作られた、建国大学出身者のその後を取材した本です。リアル虹色のトロツキーですな。

 卒業生のその後は千差万別で、その人生を持ってこの大学の性格を一言で表せるものではありません。理想に燃える教育機関としての側面と、侵略のための国策洗脳機関(教育はすべて洗脳であると中田考先生もおっしゃっていましたがそれは置いておいて)としての側面と両方あったのでしょう。そもそも、物事の多くは0か100ではないしな。教えている人も生徒もいろいろな考えがあり、その考えは人と交わることで揺さぶられることも多かったように読めます。

 能力のある人がその時代受けられる限り最高の高等教育を受け、人生が幸せであったかというとそれはわからないですね・・・幸せの定義が現代と違うであろう事を差し置いても、この大学で学んだ人は激動の人生を歩みまくりです。それについては本を読んでいただくとして、やはり、語学は重要なのだなあというエピソードが随所に。80歳を超えても独学でロシア語を勉強されている方のお話が出てきますが、語学は努力と継続なのですね。そしてそれが生きる力につながると。好奇心が摩耗し、向学心を失いかけている43のおっさんには耳が痛いお話です。

 おそらく、語られたことよりも、語り得なかったことが多い本だと思います。在籍された方々のお年を考えると、当事者に話を聞けるのもこれが最後のタイミングに近いでしょう。その点でも非常に貴重な本です。また、朝日新聞の記者である著者の語り口、問いかけも平易かつ、元学生さんたちの言葉を尊重し、最大限に引き出されているように思えます。惜しむらくは普段の業務と並行して行われている取材なので、どうしても時間は足りなかったのだろうなと思える節があること。続編なり文庫増補版なりを希望しますが難しいだろうなあ・・・
スポンサーサイト
[ 2017/08/15 13:08 ] 書評 | TB(-) | CM(0)

バッタを探しにアフリカへ

 光文社新書 バッタを探しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎

 各所で話題にもなっていますが、今年読んで一番面白かった本です。わたくし昆虫は苦手なのですが。

 何かに人生かけている人の話はやはり面白いのですが、読んでいて気になったのは日本の研究環境の貧弱さ。前野先生も2年の任期では業績が上げられず(だってバッタが発生しないんだもん)、かなり無理をしてモーリタニアに滞在し続けます。初等教育から高等教育まで教育には様々な段階がありますが、どのような段階であっても教育の効果測定は非常に難しいものです。数値化できないことも沢山あると思うしね。その上で必要なものは教える側の根気と、教育環境だと思うのです。で、少なくとも大なり小なり教育に関わる身としては、教わる側のやる気を計算に入れるべきではないというのが今現在での自分の考えです。少なくとも、高校くらいまでは与えられる教育環境は、個人の能力よりも結果に差が出ると思うんだよなあ。道徳やら英語を科目化するよりは、冷暖房を完備させる方が絶対効果あるよ。

 まあ、前野先生は研究者ですから、義務教育や一般の高等教育とはまた事情が違うと思いますが、先立つものがないと研究を続けるのは難しいという悲しい現実があるわけで。でも、この悩みって、先進国よりは発展途上国っぽいのよね・・・日本の衰退の一面を見たようで、楽しいのですが、少し悲しいで読後感でありました・・・
[ 2017/08/14 23:57 ] 書評 | TB(-) | CM(0)

特典航空券発券

 8月終わりに5連休がとれるのでバンコク行きの航空券を押さえました。今回は全日空のマイルを使ったので、\6000ほどの出費で済みました。友人に会えれば良いですが、タイ限定モデルのOrientでも探してみます。タイマッサージに行って、ちょっとまとまって本が読めれば良いかな。
[ 2017/08/13 11:38 ] 海外旅行 タイ | TB(-) | CM(0)

2017年7月末の運営状況

 久しぶりに確定拠出年金の運営状況を確認してみました。拠出そのものは昨年6月からですが、掛け金を投資信託にかけ始めたのは今年1月からです。

 現在の配分割合は先進国70%と新興国株式10%、残りを定期預金にしています。

・DCニッセイ外国株式インデックスファンド +5.2%
・EXE-i 新興国株式ファンド         +7.7%

 トータルだと-0.7%ですね。加入時の手数料分をまだ取り戻せてないですが、減税効果もありますから、まあまあな運用実績でしょう。SBIは6月でしたか、手数料324円を無料にしてくれたのは大きいですね。
 
 まあ、今考えると昨年のトランプ相場に乗り遅れているし、1月からも定期をなくして株式にフルに突っ込めばよかったのかもしれませんが、まあしょうがないね。しばらくはこの配分で続けようと思います。
 

なぜ世界はルワンダを救えなかったのか

 風行社 ロメオ・ダレール なぜ世界はルワンダを救えなかったのか

 読もう読もうと思っていた重い本を連休中に読んでしまった。これは壮絶な内容なので、体調がよろしい時に読んだ方がよいです。

 1993年から94年にかけて起き、約80万の方が殺されたといわれるルワンダの大虐殺。その現場で国連PKO部隊の指揮官だった方の手記です。もう20年以上前の話になるのか・・・虐殺が、なぜ、どのようにして起きたのかが時系列に沿って丁寧に追われています。フチやツチの対立、旧宗主国であるベルギーの思惑、資源のないアフリカの小国に対する無関心など、様々な要因が絡み合って虐殺は起きますが、そこに合理的な理由などは当然無く、ただ、みんなが空気に逆らえなかった、そして意味もなく人が殺されていったという陰惨な出来事が延々語られていきます。途中からダレールは心を病み、そのあとも自殺未遂を繰り返したあとに書かれた本なので、強烈な自責の念と後悔が強烈な読書感として残ります。いやあ、読むのキツいっすよ。

 その上で、自分の父親が国連関係の仕事をしていたので、国連の硬直した官僚主義と、それに振り回される人間の悲しさが裏テーマであるかとも感じました。よくガリの悪口言ってたな。国連は第一次と第二次大戦で多くの犠牲を出し、世界平和を実現するために作られた恒久平和を実現する人類の理想を実現するための機関であるとともに、戦勝国、その中でも大国の利害を調停するために作られた妥協の産物であるいわばキメラ(満州国@山室信一)なわけではありますが、何がつらいってほんと金がないのがつらい。世田谷区と同じくらいしかない予算規模しかない組織が世界を救うってそれどんな無理ゲーですか。でも、ダレールをはじめとした国連スタッフは最善を尽くしていたと思います。しかし、虐殺は起きた。おそらく、ユーゴもアフガンもソマリアもイラクもシリアも南スーダンも同じような話が沢山あるのでしょう。世界はなぜ救えなかったのか。これに答える解答を持たない自分は、今年もNPOに寄付するくらいしかできないのでした・・・

 ちなみにこの本はJames NacthweyのInfernoという写真集とあわせて読むとより恐ろしさが実感できます。
[ 2017/07/23 21:12 ] 書評 | TB(-) | CM(0)
PR
よく使う旅行会社
なんだかんだで航空券はここで買うことが多いかな
ここはたまにすごく安いです
最新コメント